2019.03.27
レポート

『本所おけら長屋』著者・畠山健二と歩く吉原つれづれ散歩 レポート

SOOO dramatic!主催のまち歩きイベント、「『本所おけら長屋』著者・畠山健二と歩く吉原つれづれ散歩 〜歩いて感じる江戸の「粋」と「野暮」」を3月23日(土)に開催しました。

花冷えでしたが、観光客で賑わう浅草。総勢20名ほどで浅草神社から出発し、江戸の住人になった気分で「ナカ」へ繰り出しました🌸

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1617年に誕生した江戸で唯一の幕府公認遊廓=吉原。実は日本橋葺屋町(現在の日本橋人形町)にありました。でも、1657年の明暦の大火で焼失し、現在の場所に移転して「新吉原」と呼ばれるように。落語などに出てくる「吉原」は、たいてい新吉原の事を指します。

長い歴史をかけて吉原から様々な文化が生まれ、「粋」や「野暮」といった江戸っ子ならではの美意識も、吉原での遊びの作法からきています。

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古典落語でも「廓噺(くるわばなし)」といわれ、多くの噺を生んだ吉原の色と欲と情の世界。
このイベントの案内人である畠山さんの案内&解説は落語のように面白く軽快で、そして分かりやすく、江戸時代と現在を行き来しているような不思議な感覚に。古典落語の中に出てくる吉原の風景が見えてきたり、登場人物たちの息遣いも感じるような…。
ちなみに今回、畠山さんの説明に出てきた落語は「紺屋高尾」「船徳」「粗忽長屋」「文七元結」でした。

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今回のルートは、浅草神社(浅草神社宮神輿三基を見ることができました!)〜浅草見番〜山谷堀~春慶院(2代目高尾太夫墓)〜見返り柳(衣文坂)~吉原大門跡〜吉原公園(お歯黒ドブ痕跡)〜鷲神社。まさに、江戸の「粋」と「野暮」を歩いて感じる2時間。時代小説や落語で親しんだ吉原の世界がようやく土地勘としてイメージができました。

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最後はSOOO dramatic!で、まち歩きのおさらい。
「やせ我慢ができる人。それが粋!」

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ご参加いただいたみなさま、そして畠山先生、本当にありがとうございました。



◉案内人:畠山健二(はたけやま・けんじ)
1957年、東京都目黒区生まれ。墨田区本所育ち。演芸の台本執筆や演出、雑誌のコラム連載やものかき塾の講師も務める。
2012年『スプラッシュ マンション』(PHP文芸文庫)で小説家デビュー。翌年スタートの文庫書き下ろし時代小説「本所おけら長屋シリーズ」がベストセラーとなる。最新刊「おけら長屋(十二)」は、2月8日発売!
その他の著書に『下町呑んだくれグルメ道』(河出文庫)、『超入門!江戸を楽しむ古典落語』(PHP文庫)がある。

◉「本所おけら長屋」とは?

幅広い世代に支持され、累計80万部突破の大ヒット時代小説。『お江戸は本所亀沢町にある貧乏長屋。万造、松吉の「万松」コンビを筆頭に、左官の八五郎・お里夫婦や後家女のお染、 浪人の島田鉄斎ら個性的な面々が住んでいる。人情とお節介で下町界隈でも名高い「おけら長屋」では、今日も笑いと涙 の“珍”騒動が巻き起こって……。』

・『本所おけら長屋』公式サイト
https://www.php.co.jp/okera/

・畠山健二 公式サイト
http://okeranote.com/