2018.03.10
レポート

東東京バー「1杯のコーヒーがドヤ街を変える-ギフトエコノミーの実践-」を開催しました!

毎回テーマを持つゲストがマスターとなり、お酒やドリンクを飲みながら交流するSOOO dramatic!主催のコミュニティイベント「東東京バー」を、3月8日(木)に開催しました!

今回のテーマは、「1杯のコーヒーがドヤ街を変える-ギフトエコノミーの実践-」。
ゲストは、一般社団法人YUI代表・義平真心さんと、ギフト経済ラボ・竹内真弓さんでした。

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東京には、かつて高度経済成長期を通して多くの日雇い労働者が仕事を求めて集まった山谷(さんや)という地域がありました。低料金で滞在できる簡易宿泊所が立ち並び、宿という言葉を逆さにして「ドヤ街」と呼ばれています。

山谷は浅草と近いエリアということもあり、多くの外国人観光客が訪れる地域。しかし、地域住民・生活困窮者・観光客は、同じ地域にいてもお互いを深く知ることは多くありません。距離を感じることで、誤解が生まれることもあるそうです。

今この街に必要なのは、1人1人のグラデーションある尊厳を認め合い、小さな関係性がはじまるような場所ではないかと考え、一般社団法人YUI・義平さんは、山谷の入口となる「さんやカフェ」をOPENするプロジェクトをはじめました。

※東京のドヤ街「山谷」にカフェをつくる
https://motion-gallery.net/projects/sanya_cafe

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「さんやカフェ」で特徴的なのは、イタリアではじまった「Suspended Coffee」というギフトエコノミーの仕組みを取り入れたこと。人々が誰かのために事前に代金を支払うと、お金に余裕のない人でも無料でコーヒーが飲めるようになります。義平さんはこれを「思いやりコーヒー」と呼び、1杯のコーヒーを通してドヤ街に温かな関係性を作ろうとしています。

東東京バー当日は、エスプレッソとシフォンケーキが振舞われました。

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続いて、2人目のゲストは、ギフト経済ラボの竹田真弓さんです。

竹田さんは、代金のない料理店「カルマキッチン」という「ランチを通してギフトエコノミーを体験化する活動」を主催しており、当日はギフトエコノミーを高速道路に例え、温かい経済の仕組みを説明してくださいました。

※参考:カルマキッチン
https://karma-kitchen.jimdo.com/

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現在山谷では、オリンピックに向けた街全体の再開発の声が高まっているそうですが、建物を作り変えるのではなく、実際に住む人たちの関係性をギフトエコノミーを通して見直していく。そんな義平さんの取り組みはとても興味深い事例でした。

また、なぜギフトエコノミーが必要なのか?どうやったら助け合う経済は生まれるのか?そんな問いを竹田さんにお伺いできたと思います。

東京の下町で生まれた新たな動きを、皆さんもぜひ注目してみてくださいね!

【スペシャルゲスト】

◎義平真心 (よしひら まごころ) さん
一般社団法人結YUI /代表理事。2003年11月に任意団体 結(YUI) を立ち上げ、団体代表として「地域の信頼関係を重視した山谷の多様性のあるまちづくり」をテーマとし、観光を通した地域の活性化と(元)ホームレス生活者の就労支援・居住支援を目指し活動を続ける。2010年一般社団法人結YUIとして法人化。「さんやカフェ」プロジェクト発起人。

◎竹田真弓(たけだまゆみ)さん
ギフト経済ラボ・カルマキッチン メンバー。普段は会社員として働きながら、ギフト経済ラボや社会投資活動(SOIF)他のメンバーとしても活動。ギフト経済ラボでは特にカルマキッチンの運営に力を注いでいます。ギフトとヒトが大好きです。